2024年2月10日より開演の宝塚花組公演「アルカンシェル」を観に行ってきました。
子育てや仕事などに追われ、しばらく観に行ってませんでしたが、久しぶりに観た宝塚。
男役のカッコよさ、娘役の美しさ、優雅な世界観に浸り観終わったあとは高揚感を感じ有意義な時間を過ごすことができました。
それでは、観劇レポートに参りましょう。(ネタバレあるので、これから観劇する予定の方は注意)
あらすじ
第一幕
物語は現在のパリ、アコーディオン奏者の祖父イヴを持つ孫のイヴ・ゴーシュの語りで始まります。
時代は変わり1940年のパリへ。華やかなレビューで幕を開けます。
才能あふれるダンサーのマルセル(主人公)は、劇場「アルカンシエル」で働き、アメリカでモダンダンスを学ぶ費用を貯めながら生計を立てていました。
ある日、ナチスがパリを占領し街にやってくることが知れ渡り、ユダヤ人である演出家と振付師はアメリカに亡命。
マルセルは振り付けを任されることになりました。時同じくして、歌姫のカトリーヌは演出を任されることになりました。
ほどなくして、ナチス軍がパリの街を占拠。
ナチスの文化統制官コンラートと、文化副統制官のフリードリッヒがアルカンシェルにやってきました。
コンラートはヒットラーお気に入りのワーグナー以外のイギリス歌曲の上演および、ジャズスウィングの演奏を禁じました。
コンラートが帰った後、ドイツ軍に入る前はラジオのディレクターだったフリードリッヒは戦いで疲れたドイツの兵たちに心より楽しんでもらえるよう、スウィングを演奏してほしいと劇団に訴えかけました。
劇団員達はその提案に賛同。コンラートが視察に来る時のクラシックバージョンとドイツ軍やパリの人たちに向けたスウィングバージョンの青きドナウの練習を行い、舞台準備を進めていきました。
最初は、演出と振り付けで反発しあっていたマルセルとカトリーヌ。
やがて2人は、お互いを認め合う存在となっていきます。
そんな2人を快く思わない人物が。カトリーヌの歌のパートナーであり、クラシック歌手のジョルジュです。
ジョルジュはカトリーヌに惚れていますが、カトリーヌは彼を仕事仲間としか思っていませんでした。
ドイツ軍はパリの人たちに夜12時以降の外出禁止命令を下します。
ある日、演出家となったカトリーヌの代わりに歌姫を務めていたアネットが、帰宅するために夜12時前の街を歩いていました。
素行の悪いドイツ兵は、それを見て外出禁止命令を理由に彼女を連行し連れ込もうとします。それを見ていたフリードリッヒは、彼らに身分証を見せ知り合いだからだと匿います。
紳士的な態度のフリードリッヒに惹かれるアネット。フリードリッヒもまたアネットに惹かれていたのでした。
ドイツ軍より劇場での功績を讃えられ、パーティに招待されたアルカンシェルの劇団員達。
コンラートはカトリーヌを酔わせて、自室に連れていき、自分の女にしようとした挙句、ドイツで歌って欲しいと口説きます。
カトリーヌは拒否し逃げようとしますが、なかなか逃げることが出来ません。
カトリーヌがコンラートの部屋に連れ込まれたことを知った、マルセルと数人の団員達は彼女を助け出します。
マルセルとカトリーヌは、数人の団員がコンラート達ドイツ兵を抑えている間にパーティ会場のホテルより逃げ切ります。
外出禁止時間に近づいていたため、2人は近くにあるマルセルの部屋で過ごすことに。
仕事で認め合っていた2人は、お互いが惹かれあっていることに気付き、お互いの気持ちを確認しあいました。
アルカンシェルでは青きドナウが開演され、クラシックバージョンは無事終了。
スウィングバージョンの上演中に、コンラートがやってきました。
マルセルとカトリーヌの仲とスウィングの上演を快く思っていないジョルジュがコンラートに密告したからでした。
コンラートはフリードリッヒのことを処罰が下るように上層部に報告すると告げます。
この上演に主に携わった劇場主のマダム・フランソワーズ、演出家のカトリーヌ、振付師のマルセルおよび持っていたナチスの旗を落としてしまったコメディアンのぺぺ(少年イヴの父親)は思想犯としてドイツ軍に連行されていきました。
連行されたマルセルたちはどうなるのか・・・
そこで舞台は幕を閉じます。
ちょっと一息
第二幕
連行された者達は・・・
劇場主のマダム・フランソワーズには、しばらく上演禁止命令が下されました。
マルセルはコンラートのカトリーヌとの仲に対する嫉妬のためか執拗な拷問を受けることになりました。
ペペは思想犯として収容所に捕らえられました。
カトリーヌは、アルカンシェル上演再開と劇団員の安全を引き換えに、ドイツに渡って歌うことになりました。
ドイツ軍の上層部の前で歌っていたカトリーヌは、自分のやりたいことは上層部の前で歌うことではないとコンラートに訴えたところ、戦いの前線に慰問するようにと命じられました。
やがて、マルセルは解放。スウィングは禁止だけど、ラテンのレビューなら上演可能とアルカンシェルは上演再開となりました。
以前より、劇団の男達はレジスタンス(ドイツからの解放軍)に加わっていましたが、マルセルもその仲間に入ることになりました。
その反対にジョルジュは、ナチスに加わることとなりコンラートの部下として働くことになり、2人はロシアの戦線に行くことになりました。
ある時、文化副総統官の任務を解かれたフリードリッヒからマルセルに連絡が入りました。
今は慰問団の責任者となっており、次に行く慰問先にカトリーヌが来ること、ぺぺがいることを伝えました。
マルセルはイヴと共に慰問先へ向かいます。
マルセルとイヴ、フリードリッヒはペペをフランスまで亡命させることに成功しました。
しかし、捕虜が一人行方不明になった責任を負い、フリードリッヒは慰問団責任者の任務を解かれ、通信兵として戦いに加わることになりました。
一方、ドイツ軍はロシアより撤退。コンラートはナチスのゲシュタポ(秘密警察)に入局します。
戦況は連合軍側が有利となってきました。
ヒットラーは、パリを撤退するなら街を焼き尽くすように命令を下しますが、パリにいるドイツ軍はセーヌ川を渡る橋を爆破し、川を氾濫させパリの街を壊滅する作戦を企てます。
ドイツ軍はパリ市内の地下水道の何ヶ所かに爆薬を仕掛けていきました。
マルセル達レジスタンスは、その情報を仕入れ阻止しようと動き出しました。
ついに、地下水道の爆撃本拠地を見つけ出したマルセル達。
その先にいたのは通信兵として業務を担当していたフリードリッヒでした。
敵として再開した二人。そこへドイツ軍より連絡が入ります。
ドイツ軍はパリを撤退、橋の爆撃を中止せよというものでした。
連合軍はドイツ軍に勝利したのです。
そこへ、戦いに負けヤケクソになっているコンラートがやってきました。
撤退するなら、パリを壊滅させてやると。爆撃スイッチを探し出しました。
いよいよ、爆撃スイッチが押されそうになった時、コンラートは銃弾に倒れました。
銃口を引いたのは、愛国心のため街を守りたいと考えたジョルジュでした。
連合軍はドイツ軍を連行、その中にはフリードリッヒもいました。
アネットは、フリードリッヒに収容所から出てくるまで待っているからと伝えます。
連合軍には、フランスから亡命しアメリカ国民となった元アルカンシェルの仲間の姿もありました。
彼は、マルセルにアメリカに渡らないのかと尋ね、去っていきました。
マルセルの目の前には、ドイツから帰ってきたカトリーヌが。二人はようやく再会を果たしたのです。
カトリーヌは、マルセルにアメリカに渡るのかと尋ねます。
マルセルは、アルカンシェルを君だけに背負わせるわけにはいかない、俺も一緒に背負っていくよと。
二人は口付けを交わし、幕が降りていきました。
エンディング
※エンディングは〇〇の男とか女とかで表記されると思いますが、誰が誰だかわからないので役名で表記します。
下手のセリからテカリのあるベージュの服に身を包んだフリードリッヒが出てきて歌いながら銀橋を渡っていきます。
その後、金色のレオタードに身を包んだ生徒たちのラインダンス。
大階段の中心には黒と赤の燕尾服を着用したマルセル。その周囲にピンク色のドレスに身を包んだ娘役たち。大階段を下りて、舞台上でダンスを繰り広げます。
マルセルと同じく黒赤燕尾服に身を包んだフリードリッヒや、イヴ・ゴーシュ、ジョルジュなどのたくさんの男役たちが大階段に現れ、舞台の方に降りてきます。入れ替わるように娘役たちが舞台裏へ。
男役たちは、ロック調の愛の賛歌でキメッキメッでかっこよく踊ります。
マルセルはその場から去り、それ以外の男役は上に羽織っていた燕尾を脱ぐと、金色のシャツが現れました。金色のシャツに、黒のズボンといったキザ衣装でテクノ調ロックでこれまたキメッキメッで踊ります。
水色の衣装に身を包んだマルセルとカトリーヌが出てきて、金色衣装の男役たちは舞台裏へ。
マルセルとカトリーヌの優雅なデュエットダンスです。マルセルはカトリーヌをリフトし、10回転以上くるくる回します。二人はダンスを終え、舞台袖へ。
そこへ、大階段よりエトワールのアネットが歌いフィナーレが始まります。
主要な役をつとめていた生徒たちが、大階段の真ん中を歌いながら降りていきます。
そして、フリードリッヒ、カトリーヌが羽を背負って歌いながら降りていきます。
大階段のライトが少し暗くなり、ミラーボールがキラキラと光る演出、そして舞台上の生徒たちと客の視線を浴びながらマルセルが特大サイズの羽を背負い、ゆっくりと歌いながら大階段を下りていきます。
マルセルが大階段を降りると、再びライトが明るくなります。マルセルとカトリーヌを先頭にメインキャストが銀橋を渡り、橋の中心へ。観客に挨拶を行い、再び舞台へと戻り、幕が閉じていきました。
感想
ハラハラドキドキする展開、そして時折ホロっとさせるシーンもあって楽しく観劇させていただきました。
いろいろありましたが、最後はハッピーエンドで終わってよかったです。
久しぶりに観劇したから、前もって予備知識なく観ましたが、トップスターの柚香光(ゆずかれい)さん。出てきたときから、シュッとしてて(いわゆるスタイリッシュのこと)、お顔も端正で美しく、何頭身なんだよと思うくらい顔のバランスが小さく、身体の半分は脚でした。声もいいし歌も上手い。まあ、ひとことで言えばカッコよかった~。
なかなか、チケットも取りづらく、基本的には宝塚と東京での公演になので、興味あるけど、行けないよという方は今なら2週間お試しで見られます! スカパー!簡単申込で試してみてはいかがでしょうか。